クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
同棲は禁断のはじまり





「ただいま」

「お疲れさまです」

「……」

 2時間ほど前、一緒に会社で仕事をしていた千堂部長と同一人物なのか。

 抑揚のない雰囲気を纏い、出迎えた私をナイフに似た目つきで突き刺す。



「やり直し」

 そう言うと、部長は後ろ手にドアの鍵を開けてから、再び施錠した。


「ただいま」

「おかえりなさい。……ま、愛斗さん」

「35点」


 んがっ……。
 絶句している私の横をすり抜け、部長は住み慣れた室内を進む。



 社員旅行が終わり、日常が戻って1週間後。

 部長命令は冗談でも酔った勢いでもなくて、本当に私は部長と生活を始めてしまっている。


 私にいわゆる“リア充感”を味わわせて、企画に生かすためだと言われたものの、出迎えに点数が付けられるとは……。


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