クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
常夜灯が小さく灯る寝室に、堂々たるクイーンサイズのベッド。
部屋は用意してもらえたものの、さすがにベッドは1つしかなかった。
当然と言えばそうなのだけど、できれば別々がよかったと毎夜思う。
「明日、何時に出かける?」
「夕方です」
「ゆっくりできるならよかったよ」
「……はい」
おそらく、部長が言いたいのは企画を練る時間があるってことだ。早くするように常々言われているし、休みだからって1日中遊びまわるなんてできない。
部長が動くと、羽毛布団と擦れた音がしてドキッとする。
大きなベッドの上じゃ、触れるにも遠いそれなりの距離が保たれているのに、たった1つの小さな空間を共有して、同じ温度の中で眠りにつくことに未だ慣れない。