クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
ええ、どうぞ笑ってくださいよ。
見る目があろうとなかろうと、好きになったら止められないんですから。
部長はそういう恋をしたことがないんじゃないですか?
好きで好きで、苦しくてたまらなくて、手に入れたくて仕方なくて、ちょっとしたことで妬いて。
でも手を出す勇気もなくて、結局自分の気持ちと相手の一々しか見えないくらい視界が狭くなってしまうんです。
切なさとちょっとの嬉しい出来事を糧にする、そんな時間を過ごしたことが――。
「クリーム、ついてる」
「……自分で、取ります」
「アホみたいな勢いで食べるから、すごいついてるんだけど」
「アホですみませんね!わかってますよ、見る目ないとか男運ないとか……っ!!」
……こんな時に、キスしないでよ。
床に転がり落ちたフォークに気づいても、彼の唇から逃れたくなくて、ゆっくり彼の背中に手を回し、温もりにホッとしたら涙が出た。
散々なクリスマスだ。
好きと伝えてはいけないのに、一緒に食べようとケーキを用意してくれて、容赦ない言葉で刺されて。
とどめに、甘い甘いキスを撃ちこまれたら、嫌いになる自信がなくなるじゃない。