クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
「俺、男運がないとは言ってない」
「言ったようなものじゃないですか」
彼から離された唇は、可愛げのない言葉を紡ぐ。
もっと素直に、なんて言われなくてもわかってる。
だけどここで素直になったら、部長が好きだって言ってしまいそうになる。
「一緒にいて、男運がないなんて言われたくない」
はぁ、っと呆れ色のため息をこぼして、部長が体勢を戻した。
どうしてそんなことを言うの?
好きでもないのに、優しくしないでよ。
私は期待ばかりして、部長はあっさり萎ませるくせに。
なにも、変わらないくせに。
「企画が上手くいったらそれでいいよ」
「そ、そうですよ。一緒にいたところで、これは恋愛じゃないですし」
「……」
だんまりを決め込む彼の横顔に、クリームを探す。
ついていたら、勢いでキスができたかもしれない。