クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
冗談で言っているのではないと分かる、真剣で真っ直ぐな瞳に吸い込まれた。
穏やかなのに、なんとなく切なそうで……そう見えるのは私が彼を好いているからだろうか。
「……したくないって言ったら、どうするんですか?」
「するよ、お前が名前で呼ぶっていう簡単な約束すら守ってくれないから」
ソファに押し倒されて、少し悲しくなる。
目をつぶるだけのはずが、彼を真上に迎えたら心臓が飛び上がった。
「好きでもないのに、優しくしないでください」
「……それ、恋をした女が言う台詞」
すかさず返されて、ハッと息をのむ。
好きと言わなくても、伝わってしまったなら恥ずかしくて逃げたくなった。
「他の男の匂い、つけてこなかったんだな」
不意に微笑まれて、胸の奥をまるごと鷲掴みにされた。
ぎゅーっと締め付けられて、呼吸すらままならない私の自由を奪うように。
「よかったよ、クリスマス空けといて」
そう呟いた彼は、雪が舞うように顔を近づけ、クリームより甘いキスをくれた。