クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
諦めはすれ違いのはじまり
一気に充実し始めた私生活のおかげで、企画はスムーズに進みだした。
年明け前のグダグダ感はどこへやら、周りを巻き込むペースで進捗させる私に、同僚は一目置いてくれるようになった。
「瀬織さん、センスの出し惜しみ好きだからな」なんて言われたりすると、認められてるって実感できる。
出し惜しみでも何でもない。
完全に干からびる寸前の私に、部長が“片想い気分がじっくり味わえる、期間限定の実践込みプラン”を提案して、救いの手を差し伸べてくれたんだ。
部長とつき合っているわけじゃないから、公に何も話せることはない。
この企画のための合宿みたいなものだから、いずれ終わりがくる。
『結衣、今日は外でランチしよう』
部長が送ってきたメッセージに既読をつけ、席を立てるおおよその時間を返せば、その頃に地下駐車場で待ち合わせになった。