クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
13時を回った頃、特に誰にも気に留められることなく席を立って、駐車場へエレベーターで降りていく。
1人きりの箱の中は、部長を想うのに最適だ。
彼がどんなスーツを着てくるのか、ネクタイは何を選ぶのか。前までは彼が出社しない限り分からなかったけれど、今は毎朝誰よりも早く見ることができる。
今日のネクタイはどっちがいいか相談されて、私が選んだものを締めているとは……誰も思わないんだよなぁ。
仕事をしてるのか恋をしてるのか、境目が見えない。
恋に溺れたら、きっと部長に注意されるだろう。
でも、恋をしている幸せを感じなくちゃ、一緒に生活している意味がない。
部長が、好きになってくれたら。
どんな表情で、まなざしで、声色で……私を可愛がってくれるんだろう。