クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
別離は完全片想いのはじまり
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2月になって、雪が街を染める日は、千堂部長の温もりが愛しくなる。
彼に会うのは、会社だけ。
間違っても名前で呼び合うことはないし、彼も私にメッセージを送ってくることはなくなった。
今日は真っ直ぐ帰るとか、取引先と飲むとか、一緒にランチをしようとか。
すべて、真っ新になってしまった。
「千堂部長、会議室の変更依頼が来ていたので対応しました。午後の来客はこちらでお願いします」
「ありがとう」
眼鏡をかけ、今日も多忙でフル稼働のはずなのち、彼は少しも乱れがない。
私が寂しくても、埋めてくれなくなった。
冗談でもいいから、もう1回キスをしてくれたらいいと願ってしまうんだ。
自分から予定より早く彼との生活を終えたのに。