クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

「あれから部長と上手くいってるの?」

「えっ?!」

「いや、だってほらあの時」

 ほんの数週間前の出来事が、随分と昔のようだ。


 ランチに出た日、部長は柏原さんをけん制した。
 つき合ってるって嘘をついてまで、私と柏原さんを思い出ごと引き離そうとした。

 ただ、部下の私が悪い恋に溺れていた過去を知っていたから。




「別に、よくないですか?そういうの、気にしないで」

「良くないよ」

「どうして?」

「……千堂部長の女になったって知ったら、黙っていられない」


 彼は、私を振ったのに。
 今になって手を伸ばしてくる。


「私、もう柏原さんのこと好きじゃないですよ。いい先輩としか思ってません。それに、私が好きになるのは、良い思い出を作ってくれる人ですから」



 部長みたいに。

 最初は強引でも、ちゃんと私を見ていてくれた優しい人じゃなきゃ、好きになりたくない。


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