クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
「どうしているんですか?」
「千堂部長を探してただけ。そしたら榎本さんたちの声がして、結衣が出てきたから」
「だからって、こんなことしないでください」
ドアが閉じ、下降していくエレベーター。
1人になりたかったのに、これじゃ泣けもしないじゃない。
「やめて……ください」
突然抱きしめてきた彼を振りほどこうとしても、力じゃ敵わなくて腕の中に閉じ込められてしまった。
「俺、最低だと思う。こんなふうにしか恋ができないなんてさ。でも、本当に手に入れたい恋は、やっぱり簡単に手放せないんだよ。だからチャンスがあったら狙う」
地上階に着いて手を引かれ、エレベーターから降ろされた。
すぐに上昇していく箱を見送ることさえ許さず、柏原さんがしっかりと抱きしめてくる。