クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
「結衣には、散々ひどいことばっか言ったと思う。謝って消せるもんじゃない。でも、好きな女が他の男のせいで泣いてるのが、こんなに悔しいなんて思わなかった。……俺さ、覚悟してるから。結衣が戻ってくれたら、もう目移りなんかしない」
人の往来が途切れた階段で、彼の想いが反響する。
腕組みをして間を取る彼の表情は、いつになく余裕があるように見えた。
「つき合ってないんでしょ?千堂部長と」
「えっ?!」
「見てれば分かるよ。普通の恋人同士の距離感じゃないことくらい」
部長とフェイクでもつき合ってると思わせていたのに、彼にはいつからバレていたのか……。
「だから、俺にもまだチャンスがあるんでしょ?」