クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ


 無言で迫る彼の視線から逃れる方法は、生活を共にした時間でも見つけられなかった。

 想いに気づかれることなく、企画が上手く進むことを1番に考えていたつもり。
 部長に恋をしないようになんて、思ったことがなかった。

 気づいた時には、もう手遅れだったんだ。




「瀬織」

 私の気持ちなんて知らずに、彼が詰め寄る。
 そういうのが、嫌。

 もっともっと欲しくなるから。


「この前送ってきたメッセージだけど」

「あぁ、あれですか。すみません、本当に気にしないでいただけると助かります」

「……あ、そう」

 冷めた表情で私を見下ろす彼から、逃れたい。

 何か話そうとする彼の言葉を遮って、ちゃんと伝えきれていない“好き”が、言いたいことを押し出す。


 このままじゃ終わりたくないって、片想いが暴れ出そうとしてる。


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