クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
「隠し通せると思ってるの?この前と同じだよ。香水もネイルのデザインも」
そんなの偶然だと言い返したいけれど、嘘をついてまで執着するのは気が引ける。現に、柏原さんは悪いことをしたわけじゃない。
キスは……されたけど。
何も変わらないなら、今まで通り地味女子生活を貫けばいい。それが彼に迷惑をかけることもない。
「好きでこういう身なりをしてますから、どうぞお気になさらず」
可愛げのない返事をすれば、小さくため息をついて彼は私を解放した。
「誰にも言わないから。だから、俺をちゃんと見て」
正式に段階を踏むように、柏原さんは私の顎に指を掛けた。
強制的に交わる視線に少しでも動いた胸の奥。
これは、恋の予感……なのかな。
眼鏡を外されて、一層自由を奪われた私の唇に、彼は視線を移す。