クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
【ご愛読御礼】添い寝は隠密のはじまり
――あぁ……飲み足りない。
せっかくの温泉だというのに。
目の前には浴衣の男女。うなじでアピールする分かりやすいタイプが半数以上。
「せーんどーぶちょー!」
上司の名前をリズミカルに口ずさみながら、佳乃がすり寄ってきた。
「飲みすぎですよ」
「えー?だってー、今飲まないで、いつ飲むんですかぁ?」
手をマイクの形にして、俺の口元にかざした女は部内イチの派手な女。
流行の服で飾って、ネイルはあえて控えめにして上品狙い。それが逆に下品だっていつになったら気づくのやら。