クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

『ランチ後、B会議室で待ってる』

 お昼が目前になった頃、デスクの端に置いていた携帯の画面が反転して、柏原さんからのメッセージを通知した。
 私が携帯を見ていようと、その内容にハラハラしようと誰も気づかないのが救いだけど、どうやって断るかを考えていたら、仕事が進まなくなりそうだ。

 既読だけ付けて、無反応を決め込む。

 今は仕事中。恋愛禁止の社内でうつつを抜かしたら、一気に崩れていく。誰にも気づかれずに会うなんてきっと無理だろうし、現に朝の密会を私が目撃したくらいだ。



『もし良かったら、ランチでもいかがですか?もちろん業務優先ですが』

 せっかく集中し直して作業をしていると、パソコンの端に新たなメール受信の通知が飛び込んできた。



 送信は――“Manato SENDOH”って、千堂部長?!


 驚いて顔を上げた私を、千堂部長は内線で誰かと話しながら見つめていた。


< 36 / 361 >

この作品をシェア

pagetop