クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

「いいですよ、そこで」

「でも」

 雑誌に記載されている金額を見ても、千堂部長は了承を変えない。ここは「ちょっと高いね」と言って引いてくれたほうが色々と楽なのに。


「予算、相談するから大丈夫。1人1万で参加者募集してみて。差額は会社に持ってもらえるようにする」

「……持ってもらえなかったら」

「俺の自腹?」

 あはは、と楽しそうに笑っているけれど、そんなジョークには乗り切れない。


「お金のことは責任持つから、気にしないで進めてくださいね」

 企画の打ち合わせ時間が迫り、ミーティングルームを後にする。
 使用中のランプが消え、点灯したままの隣室のランプがやけに明るく思えた。


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