もっと強く…
「ほら、入ってきてごらん
まだ、なんにもしないから」
先生は優しい口調で言ってくれた


「うん...」
ゆっくりと言って椅子に座った

「くすりちゃんと飲んでる?」

「多分...」

「多分ってなんだ?(笑)」

「うん、ちゃんと飲んでる」

「よし、じゃあ、薬見せて?」

「え、?」

「ん?薬持ってるよね?」

「え、あぁ、うん」



実は2日薬飲むのサボった


けど、これを見せたら絶対怒られる


「りこちゃん?見せてみ?」


「いや...」

「ん?なんで?」


「いや...かも...」


「もしかして飲んでないとか?」

「そんなんじゃないよ!!」
少し強い言い方になっちゃった...


「りこちゃん、いってごらん
飲んでないんでしょ?」
りこちゃんが少しむきになってて目を逸らしたことから、図星と感じた

「ごめんな...」
最後の方は声が出なかった


「りこちゃん、ちょっと先生心配だな
しっかり者だし大丈夫かなと思ってたけど
お薬飲めないのは心配だよ
ちゃんと、飲まないと!!
発作起きるのも時間との問題だよ?
りこちゃん、きいてる?」


「...あ、え、はぃ、聞いてます」


「...りこちゃん、ちょっとだけ先生と一緒に頑張ってみよう」


「え、それって...

入院ってこと...」

「うん、そういうこと
先生、りこちゃんが心配だもん
お薬あんだけ飲んでって言ったのに飲まなかったんだもん
このまま帰らせても不安だな」


「いや、お薬飲みますちゃんと
だから、だからっ」

「ダメ!!!」

「.....」

「ちょうどゴールデンウィークなんだし学校もお休みなんだからこの機会に」


「嫌です、帰ります、帰らせて下さい」

「りこちゃん、誰のせいかな?」

「.....りこだけど...だけど...」


「じゃあ、頑張ろうよちょっとだけなんだから」

ちょっとって言ったって1週間もあるじゃん...

ずっと無言でいたら先生が看護師さんに
「個室開けておいて
準備できたらpushお願いね」
と言ってる

「先生...」

「ん?」

「これ、嘘だよね?」

「ほんとうだよ
先生心配だからね
ちょっとだけだから頑張って」
といってポンっと頭をなでられた


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