【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫
そんな毎日の中で、
実習とレポートとテストの繰り返しをしている間に、
季節はどんどんと進み、あっという間に年末が近づいていた。
そして私は学校の終業式の後、
母が亡くなって以来、ようやく実家に戻ってくることができた。
最後の船便で帰った私は、島に到着したのは、
すでに夕方を過ぎていた。
「冬の日はつるべ落としとは、よく言ったもんだな~」
そして、その日、そんな独り言を言いながら、
暗くなり始めた故郷の街をゆっくりと歩いて行く。
島全体で感じる、潮風の中で
やっぱり地元はいいなあ、そんな風に思っていると、
「彼女、めっちゃ可愛いじゃん。
ちょっと、一緒に飲みにいこうや……」
繁華街の裏道を抜ける途中、
すれ違いざまに声を掛けてくる数人の男たちがいる。
この時期の島は普通の観光客はあまり多くなくて、
その代り、サーファーなどの、マリンスポーツをする若者が多くなる。
声を掛けてきたのは、言った類の外からやってきた若者たちのようだった。
「ごめんなさい。家に帰らないといけないので……」
そう言って、伸ばしてくる手を避けて、彼らの横をすり抜けようとした。
その時。
「……ちょっと待ってよ~」
からかいの音を声に乗せて、手前にいた男が、
私の腕をつかむ。
「彼女ぉ。つれない事言わないでよ。一緒に飲みに行こうよ~」
軽い言い方だけど、私の二の腕をとらえる手は、
思った以上に強くて、振りほどくことができない。
「ねえねえ、いいじゃん」
軽い口調で、顔を寄せてくる。
その呼気は、すでにお酒の匂いを漂わせていて、
すでにかなり酔っぱらっていることがわかる。
私はその酒臭い匂いが嫌でたまらなくて、
思わず顔をそらしてしまった。
「──やめてください!」
そう眉をひそめて、言い返してしまう。
「あああ、つれないんだ。
意地悪なお姉さんは、お仕置きしないとな」
そう言いながら、酔った男が私を羽交い絞めにして、
そのまま道路の端に止めている車の方向に私を連れて行こうとする。
実習とレポートとテストの繰り返しをしている間に、
季節はどんどんと進み、あっという間に年末が近づいていた。
そして私は学校の終業式の後、
母が亡くなって以来、ようやく実家に戻ってくることができた。
最後の船便で帰った私は、島に到着したのは、
すでに夕方を過ぎていた。
「冬の日はつるべ落としとは、よく言ったもんだな~」
そして、その日、そんな独り言を言いながら、
暗くなり始めた故郷の街をゆっくりと歩いて行く。
島全体で感じる、潮風の中で
やっぱり地元はいいなあ、そんな風に思っていると、
「彼女、めっちゃ可愛いじゃん。
ちょっと、一緒に飲みにいこうや……」
繁華街の裏道を抜ける途中、
すれ違いざまに声を掛けてくる数人の男たちがいる。
この時期の島は普通の観光客はあまり多くなくて、
その代り、サーファーなどの、マリンスポーツをする若者が多くなる。
声を掛けてきたのは、言った類の外からやってきた若者たちのようだった。
「ごめんなさい。家に帰らないといけないので……」
そう言って、伸ばしてくる手を避けて、彼らの横をすり抜けようとした。
その時。
「……ちょっと待ってよ~」
からかいの音を声に乗せて、手前にいた男が、
私の腕をつかむ。
「彼女ぉ。つれない事言わないでよ。一緒に飲みに行こうよ~」
軽い言い方だけど、私の二の腕をとらえる手は、
思った以上に強くて、振りほどくことができない。
「ねえねえ、いいじゃん」
軽い口調で、顔を寄せてくる。
その呼気は、すでにお酒の匂いを漂わせていて、
すでにかなり酔っぱらっていることがわかる。
私はその酒臭い匂いが嫌でたまらなくて、
思わず顔をそらしてしまった。
「──やめてください!」
そう眉をひそめて、言い返してしまう。
「あああ、つれないんだ。
意地悪なお姉さんは、お仕置きしないとな」
そう言いながら、酔った男が私を羽交い絞めにして、
そのまま道路の端に止めている車の方向に私を連れて行こうとする。