【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫
当時の彼のコメントらしいものも残っていて、
そこには、やっぱり、
「誰かのためとかじゃなくて、
すぐ後ろに大事な人がいたから……」
そんな飾り気のない言葉も彼のものらしくて……。

そして、そこまで必死に守りたかった彼女と、
現在は、何故か別れてしまったという記述と、
互いにそのまま一人で別の人生を歩んでいる。

と、そんな風にまとめられていた。

ちなみに、私の先日の事件にもちらっと触れていて、
「相手が変わっても、『戦う男』であることには代わりはないらしい」
そんな記述もあって、読みようによっては、
私が彼の新しい相手にも読めるような書き方をしていて、
私はなんだかひどく複雑な気持ちになってしまった。

こんな書かれ方をして、拓海はどんな風に思ったんだろう。
そしてこの記事の書き方だと、
きっとわかる人には、拓海の過去が、
はっきりわかってしまう……。
はたしてそれは彼の望むことなんだろうか?

もしかして、ああいう風な形で
マスコミに取り上げられたことがきっかけで、
島に来たのかもしれない、そんな風に思っていた。
都会から、島に来る人は、
何かから逃れようとして来る人も少なくないから……。

もしそうであれば、
こんな風に記事になってしまうことは、
彼にとってはあまり良い事には思えない……。
< 118 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop