【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫
私は彼が帰った後、しばらく呆然として、
その席に座ったままだった。
「……あの、どうしましょうか?」
尋ねてきた給仕の人に、
「すみません、ワインのおかわりをもらってもいいですか?」
気づけばそんなことを言っていた。
なんだか、気分がめちゃくちゃで、
そのめちゃくちゃな気分のまま、
強かに酔ってしまいたい気分になっていた。
気づけは、よく冷えた白ワインを飲みながら、
ウェイターさんが適当に持ってきてくれたチーズを食べ散らかして、
もう、頭の中はさっきの彼の言葉やら、
それでもいつも優しくしてくれた彼の仕草やら、
彼の声が脳裏に残っていて、消すことができない。
苦しくて零れそうな涙を、
冷えたグラスに頬を寄せて麻痺させて、
ワイングラスの向こう側に、
彼の屈託のない笑顔を思い浮かべて、
前回ここに来たときには、
楽しく会話して、彼もいっぱい笑顔を見せてくれてたなと、
ふと思い出すと、余計切なくて
「……やっぱり私じゃダメなんだよね……」
そうため息交じりに呟く。
彼に尋ねることもできなくて、
傍に居ることすら拒否されてしまいそうで、
きっと彼にとっては、彼女だけが必要な人で、
その必要な人を得られなければ、
他の誰も必要ない、と、
そう言外に言われているような気がしてしまって、
私はもう、どうしたらいいのかわからない。
わからないのに、
彼への気持ちだけは整理することもできなくて、
ため息するように、またワイングラスを煽る。
自分がどれだけ飲めるのかとか、
そんなことはもう頭のどこかから消えていて、
あれ、急性アルコール中毒って、
どのくらい飲んだらなるんだっけ……
そんな一瞬しょうがないことを考えて、
確か血中アルコール度数が、0.4%を超えると、
1~2時間で、半数が死ぬんだっけ。
そんな馬鹿なことを考えている。
お酒に溺れてしまえば、少しは楽になるのかな?
ああ、でも私は隼大がいるから、
死んじゃうわけにはいかないな、なんて、どこか一瞬冷静に考えて、
くすり、と笑いが浮かぶ。
瞬間に、ポロリと涙が落ちて、
続いて、いくつもの滴が零れ落ちてくる。
その席に座ったままだった。
「……あの、どうしましょうか?」
尋ねてきた給仕の人に、
「すみません、ワインのおかわりをもらってもいいですか?」
気づけばそんなことを言っていた。
なんだか、気分がめちゃくちゃで、
そのめちゃくちゃな気分のまま、
強かに酔ってしまいたい気分になっていた。
気づけは、よく冷えた白ワインを飲みながら、
ウェイターさんが適当に持ってきてくれたチーズを食べ散らかして、
もう、頭の中はさっきの彼の言葉やら、
それでもいつも優しくしてくれた彼の仕草やら、
彼の声が脳裏に残っていて、消すことができない。
苦しくて零れそうな涙を、
冷えたグラスに頬を寄せて麻痺させて、
ワイングラスの向こう側に、
彼の屈託のない笑顔を思い浮かべて、
前回ここに来たときには、
楽しく会話して、彼もいっぱい笑顔を見せてくれてたなと、
ふと思い出すと、余計切なくて
「……やっぱり私じゃダメなんだよね……」
そうため息交じりに呟く。
彼に尋ねることもできなくて、
傍に居ることすら拒否されてしまいそうで、
きっと彼にとっては、彼女だけが必要な人で、
その必要な人を得られなければ、
他の誰も必要ない、と、
そう言外に言われているような気がしてしまって、
私はもう、どうしたらいいのかわからない。
わからないのに、
彼への気持ちだけは整理することもできなくて、
ため息するように、またワイングラスを煽る。
自分がどれだけ飲めるのかとか、
そんなことはもう頭のどこかから消えていて、
あれ、急性アルコール中毒って、
どのくらい飲んだらなるんだっけ……
そんな一瞬しょうがないことを考えて、
確か血中アルコール度数が、0.4%を超えると、
1~2時間で、半数が死ぬんだっけ。
そんな馬鹿なことを考えている。
お酒に溺れてしまえば、少しは楽になるのかな?
ああ、でも私は隼大がいるから、
死んじゃうわけにはいかないな、なんて、どこか一瞬冷静に考えて、
くすり、と笑いが浮かぶ。
瞬間に、ポロリと涙が落ちて、
続いて、いくつもの滴が零れ落ちてくる。