【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫
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その日はたっぷり酔わされてしまって、
私は、タクシーで自宅に連れて帰られた。

ふらふらのまま、着替えもせずに
ベッドに寝込んで、朝を迎えた。

運よく翌日は准夜勤だったから、
昼近くまで寝てしまっていて、
昼に目が覚めると、麻生先生からメールが届いている。

……いつの間に、メアド交換までしたんだろう?
首をひねりながら、文面をチェックすると、

「今度の日勤かおやすみはいつ?」
と書かれているから素直に書いて返信すると、
ちょうど昼時だったからか、割とすぐに返事があって。

「合コンするから、よろしくっ」
とだけ書いてあって、私はあっけにとられる。

なんで、私が合コン?
慌てて私が返信すると、その件についての返信はすぐにはなくて、
しばらくして一言、

『とりあえず、任しておいて(^-^)』
とだけメールが返ってくる。

昨日、そう言えば、なんか知らないけど、
私の言うことを聞いておきなさい、悪いようにしないから、
みたいなことを言われたような気がする。
それに対して、「わかりましたっ」って
思いっきり元気よく答えた気がする……。

答えた記憶があるからには、無理です、とは言いにくくて、
それに、もともと恋敵みたいだった麻生先生だけど、
そう言うことを除けば、
対個人で話すと、意外に良い人のような気がする。

その人が、任せておきなさいっていうんだから、
どうせ、これ以上良くなるわけもないのだから、
あえて任せてみようかとも思った。
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