【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫
初めて彼女の存在に気づいてから、
彼の事を好きでいたいのに、いちゃいけないって
ずっとそう言う風に思っていたから。
彼の事を好きでいい。
彼を好きなまま、待ってていい、
そう拓海に言われるだけで、たまらなく嬉しくて。
その気持ちのまま彼の瞳を見つめると、
「わりぃな……」
全然悪くなさそうに小さく笑ってそう言って、
私の瞳の淵にたまった、涙を指先で拭って、
今度は、頬に優しくキスを落して……。
「でも、それでいいの?」
本当に、本当に。
彼女のことはそれでいいんだろうか?
そう思って私が尋ねると、
いきなり彼がくつくつと小さく笑いはじめる。
急に笑い出した彼に、私がびっくりすると、
彼がポケットから携帯を取り出す。
指先で操作して、私の前にメールを一通見せてくる。
私は彼に抱き寄せられたまま、その画面を覗く。
『最後に一度だけチャンスを上げます。
今のままだと、誰も幸せにならないから。
チャンスが欲しかったら、帰り『穂のか』に寄ってね。
自分が、今、幸せにできるのが誰か、
それから、自分が誰を幸せにしたいのか、
最後に、誰かを幸せにしたいと思った時点で、
出来ないことが発生するって言う事実、よく考えてね。
私なら、他の女の子を好きな癖に、
義務で、私を待っているなんてオトコ、
絶対いらないけどね?
……それ、オトコの単なる自己満足だから(笑)』
思わず画面を見て、目を丸くしてしまう。
発送元は、麻生先生のメールだ。
私も思わず携帯を取り出して、彼に見せる。
「さっき、来たメール……」
『宮坂先生とラブラブしてる?』
『南君情報だから何でも知っているよ♪
今晩は、ちょっと……
素直になってみたらいい事あるかもよ?』
それを見て、拓海が爆笑する。
「はっ……ははははは。
ちっくしょ。さっきのメール、
絶対に例の合コンの相手かと思ったんだけどな……」
タイミングまで図って送ってきやがって……。
しかも、南君までグルだったのか。
それで、あの小僧、
面白がって、散々俺を煽りまくりやがって……。
とんだ策士だな、麻生先生は……。
カンペキに嵌められたよ。
そんな風に文句を言いながら、
私を抱きしめたまま、彼が笑っている。
それが何だかとても嬉しくて、
「……少し、焼きもち、妬いた?」
思わずそう尋ねると、彼が一瞬息を呑んで、
ぎゅっと強く私を抱きしめる。
私は彼の腕の強さに、彼の体温に、
彼の肌の香りに……
身も心もトロトロに融けそうになる。
そんな私を見て、彼がキツイ瞳を優しく細めて、
私を腕の中に閉じ込めたまま、幸せそうに笑う。
彼が耳元に唇を寄せて、甘く、どこか切なく、
何よりも優しく、そっと囁く。
「ああ、気が狂いそうなほど妬いた。
…………悪いか?」
彼の事を好きでいたいのに、いちゃいけないって
ずっとそう言う風に思っていたから。
彼の事を好きでいい。
彼を好きなまま、待ってていい、
そう拓海に言われるだけで、たまらなく嬉しくて。
その気持ちのまま彼の瞳を見つめると、
「わりぃな……」
全然悪くなさそうに小さく笑ってそう言って、
私の瞳の淵にたまった、涙を指先で拭って、
今度は、頬に優しくキスを落して……。
「でも、それでいいの?」
本当に、本当に。
彼女のことはそれでいいんだろうか?
そう思って私が尋ねると、
いきなり彼がくつくつと小さく笑いはじめる。
急に笑い出した彼に、私がびっくりすると、
彼がポケットから携帯を取り出す。
指先で操作して、私の前にメールを一通見せてくる。
私は彼に抱き寄せられたまま、その画面を覗く。
『最後に一度だけチャンスを上げます。
今のままだと、誰も幸せにならないから。
チャンスが欲しかったら、帰り『穂のか』に寄ってね。
自分が、今、幸せにできるのが誰か、
それから、自分が誰を幸せにしたいのか、
最後に、誰かを幸せにしたいと思った時点で、
出来ないことが発生するって言う事実、よく考えてね。
私なら、他の女の子を好きな癖に、
義務で、私を待っているなんてオトコ、
絶対いらないけどね?
……それ、オトコの単なる自己満足だから(笑)』
思わず画面を見て、目を丸くしてしまう。
発送元は、麻生先生のメールだ。
私も思わず携帯を取り出して、彼に見せる。
「さっき、来たメール……」
『宮坂先生とラブラブしてる?』
『南君情報だから何でも知っているよ♪
今晩は、ちょっと……
素直になってみたらいい事あるかもよ?』
それを見て、拓海が爆笑する。
「はっ……ははははは。
ちっくしょ。さっきのメール、
絶対に例の合コンの相手かと思ったんだけどな……」
タイミングまで図って送ってきやがって……。
しかも、南君までグルだったのか。
それで、あの小僧、
面白がって、散々俺を煽りまくりやがって……。
とんだ策士だな、麻生先生は……。
カンペキに嵌められたよ。
そんな風に文句を言いながら、
私を抱きしめたまま、彼が笑っている。
それが何だかとても嬉しくて、
「……少し、焼きもち、妬いた?」
思わずそう尋ねると、彼が一瞬息を呑んで、
ぎゅっと強く私を抱きしめる。
私は彼の腕の強さに、彼の体温に、
彼の肌の香りに……
身も心もトロトロに融けそうになる。
そんな私を見て、彼がキツイ瞳を優しく細めて、
私を腕の中に閉じ込めたまま、幸せそうに笑う。
彼が耳元に唇を寄せて、甘く、どこか切なく、
何よりも優しく、そっと囁く。
「ああ、気が狂いそうなほど妬いた。
…………悪いか?」