【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫
向こうからはすっかりなじんだらしい、
隼大と先生が、くだらない話をして、
実の兄弟のようにじゃれあっている。
「そうだ、佳代、通知表みてよ」
そう言って隼大が、仏壇に供えてあった通知表を
うれしそうに持ってくるから、
私はそれを開いてみる。
通知表の成績は、
一学期のそれより、ずっと良くなっている。
「……すごいじゃない?」
びっくりしてそう言うと、
へっへっへ、と笑いながら鼻の頭をこすって、
照れ笑いを隼大は浮かべた。
「まあ、拓海も教えてくれたしな。
算数とかも拓海が教えてくれると、すごくわかりやすいんだ」
そう言って嬉しそうに笑う。
私は慌てて、先生の方を見て、
お礼を言おうとすると、
「……お前もさっさと食べろよ」
そんな風に声を掛けるから、またお礼も言えなくて、
「いっただっきま~す」
そうして、三人で食事を始めた。
母がいなくなった食卓は、
私にとっては不安で寂しくて仕方ない場所だけど、
くだらない話をして、
隼大と笑い合っている、先生の姿を見て、
私はなんだかすごくほっと小さな笑みを浮かべる。
なにより、隼大の元気な姿が見れて良かった。
私は二人に視線を向けたまま、
お茶を取ろうとして、
「……あちっ」
少し湯呑を傾けてしまって
熱いお茶に触れてしまう。
隼大と先生が、くだらない話をして、
実の兄弟のようにじゃれあっている。
「そうだ、佳代、通知表みてよ」
そう言って隼大が、仏壇に供えてあった通知表を
うれしそうに持ってくるから、
私はそれを開いてみる。
通知表の成績は、
一学期のそれより、ずっと良くなっている。
「……すごいじゃない?」
びっくりしてそう言うと、
へっへっへ、と笑いながら鼻の頭をこすって、
照れ笑いを隼大は浮かべた。
「まあ、拓海も教えてくれたしな。
算数とかも拓海が教えてくれると、すごくわかりやすいんだ」
そう言って嬉しそうに笑う。
私は慌てて、先生の方を見て、
お礼を言おうとすると、
「……お前もさっさと食べろよ」
そんな風に声を掛けるから、またお礼も言えなくて、
「いっただっきま~す」
そうして、三人で食事を始めた。
母がいなくなった食卓は、
私にとっては不安で寂しくて仕方ない場所だけど、
くだらない話をして、
隼大と笑い合っている、先生の姿を見て、
私はなんだかすごくほっと小さな笑みを浮かべる。
なにより、隼大の元気な姿が見れて良かった。
私は二人に視線を向けたまま、
お茶を取ろうとして、
「……あちっ」
少し湯呑を傾けてしまって
熱いお茶に触れてしまう。