【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫
「おはよう」
そう声を掛ける拓海の腕の中で、
私は一瞬意味が分からなくて絶句する。

徐々に昨日のことを思い出して、
私は真っ赤に赤面する。
昨日、初めて彼の部屋に泊まった。
そっと、布団の中の自らがまだ何一つ身にまとってないことに気づく。

「あの、え……と」
慌てふためく私を見て、彼がくつくつと笑う。
「何があったか、よく覚えてない……か?」
その言葉に何を言っていいのかわからなくて、
思わず、彼の顔を見つめてしまう。

「……ホントに覚えてないのか?」
一瞬彼が焦ったような顔をするから、
慌てて顔を横に振る。
瞬間彼がニヤリと笑って、私の耳元にキスを落す。
ピクンと震える私の体に手をまわして、
そっと唇にキスをする。

鼻先が触れそうな至近距離で、
「……思い出させてやろうか」
そう言って、唇に落したキスを、首筋に這わせていく。

「……拓海っ」
思わず声を上げると、
「……昨日は、『壊すほど抱いてもいい』って言ってたじゃねぇか?」
「そ、そんなこと……」
言ってないと言おうとした唇を彼が覆う。

私が抵抗する気力がなくなるまで私を奪って
また、くつくつと笑って、
「まだまだ、たりねぇよ……」
どんだけ、俺が我慢したと思っているんだ?
と囁くから、
それを言うなら私がどんだけ待たされたと思うの?
と聞き返すと、

「……じゃあ、都合がいいな」
お前も待ってて、俺も我慢したんだったら、
もう、やることは一つだな。
そう言いながら、淫らがましい指先で、
あっという間に私のすべてを掌握していく。

彼に触れられると、
やっぱり私はとろとろに溶かされてしまう。
甘い声を上げて、彼の指先に、唇に翻弄される。

「……拓海のバカっ」

くつくつ笑う彼に襲われながら、
私は甘い甘い声を上げる。
 
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