【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫
彼が帰った後、隼大も寝てしまって、
私は看護師の国試の勉強をしようと、
ノートと参考書を広げていた。
シャーペンを持って、書き込みをしては、
一瞬その手を止めて、
気づけばまたさっきのことばかり考えている。
──彼はなんで、あんな言い方をしたんだろう。
『俺はやめておけ、ろくなもんじゃねぇ…』
そう告げた時の彼の表情は、
彼らしくなく、どこか苦しげで複雑な表情だった。
声の色もどことなく、不安げで、
その表情と声が頭から離れない。
私のイメージしている普段通りの彼であれば、
面白がって私をからかうとか、
逆になんでもないように、さらっと流すとか、
そう言った感じで対応すると思ったのに。
あんな隼大の、たわいもない一言だったのに、
先生の言葉はどこか真剣で、
私はその言葉は、彼自身を否定するものだったのに、
なぜか、彼に私自身を否定されたような気がしてしまっていた。
別に彼に否定されたって、何の問題もないはずなのに、
そんな彼の言葉に、深い意味はなかったかもしれないのに……。
でも、彼の言葉が気になって、
勉強に集中できてないのも確かで。
……気のせい、だろうか?
それとも、あの言葉には何か意味があるのだろうか?
気づけば繰り言のようにそのことばかり考えている。
私は看護師の国試の勉強をしようと、
ノートと参考書を広げていた。
シャーペンを持って、書き込みをしては、
一瞬その手を止めて、
気づけばまたさっきのことばかり考えている。
──彼はなんで、あんな言い方をしたんだろう。
『俺はやめておけ、ろくなもんじゃねぇ…』
そう告げた時の彼の表情は、
彼らしくなく、どこか苦しげで複雑な表情だった。
声の色もどことなく、不安げで、
その表情と声が頭から離れない。
私のイメージしている普段通りの彼であれば、
面白がって私をからかうとか、
逆になんでもないように、さらっと流すとか、
そう言った感じで対応すると思ったのに。
あんな隼大の、たわいもない一言だったのに、
先生の言葉はどこか真剣で、
私はその言葉は、彼自身を否定するものだったのに、
なぜか、彼に私自身を否定されたような気がしてしまっていた。
別に彼に否定されたって、何の問題もないはずなのに、
そんな彼の言葉に、深い意味はなかったかもしれないのに……。
でも、彼の言葉が気になって、
勉強に集中できてないのも確かで。
……気のせい、だろうか?
それとも、あの言葉には何か意味があるのだろうか?
気づけば繰り言のようにそのことばかり考えている。