【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫
お正月休みと言っても、
うちは母が亡くなったばかりで、
喪中だから特別なことはしなかった。

だから、毎日、隼大と一緒にいて、
時間が許す限り、試験勉強をするくらいで、
あっという間に、冬休みは終わり、
私は、また宮坂先生に隼大を預けて、
東京の看護学校に戻ることになる。

戻れば、もう、あとは国試を目指して、
ひたすら勉強の日々だ。

まず最初に、滑り止めとして、
准看護師の試験を受けて、
そちらの合格通知をもらって一安心すると、
次はもう、正看護師の試験だ。

できない、わからない、自信がないと
友達と騒いでも、
必死に試験を受けてしまえば、
もう、あとは結果を待つだけで、

他のクラスメイトと一緒に、
無事合格通知をもらうと、
後に待っているのは、卒業式だ。

就職に関しては、
母が仕事をしていた島の総合病院で決まっていたから、
卒業式が終われば、3年間の下宿生活を終えて、
島に戻ることになる。

卒業式は、本来なら、母が病院を休んででも、
駆けつけてくれる約束だったけど、
もうそれはかなわないことになってしまったので、

結局私は一人で、レンタルの羽織袴を着て卒業式に臨んだ。
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