【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫
レストランに着くと、
宮坂先生は、意外にも慣れた様子で、
ワインを頼み、前菜を頼み、料理を頼んでいく。

「佳代、お前どうするんだ?」
そう聞かれるから、
「よくわからないんで、お任せします……」
そう言うと、私の好みを聞いて、
ちゃんと注文してくれた。

「なんか、宮坂先生と、フランス料理って、
イメージ合わないですね……」
そう思わず言うと、

「あのな……」
こっちを一瞬睨むようなふりをして、
次の瞬間笑い崩れる。

「まあ、確かにキャラとは違うな」
一人じゃ、ぜってぇに来ねえよ、そう言って笑う。

(やっぱり昔、彼女とか連れて
こういうところにも来てたのかな……)
思わずそう尋ねてしまいそうになるけど、
今日はそんなことを聞きたくて来たんじゃない、
そう思い直して、

「うわあ、綺麗。美味しそう」
目の前に来た前菜を前に、声を上げると、

「じゃあ、食べるか」
そう言って彼と一緒に食事を始める。

食事中は、なんで小学校の先生になったのかとか、
学生時代柔道をずっとやってて、結構強かったとか、
そんなたわいもない話を聞いている。

「子供ってな、やっぱりすげぇぞ」
そう言って彼は目を輝かせる。

「子供は生まれながらにして無限の可能性を持っているんだ」
「ただ、まっすぐ伸びるようにだけしてやれば、
いくらでも伸びる可能性を秘めているんだよな……」
そう言って、楽しそうに笑う。

そんなことを一生懸命語る姿も何だか、
すごく魅力的に見えてしまう。
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