【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫
食事が終わって、彼と共に店を出る。
「ご馳走様でした」
そう言って頭を下げると、
「いや、佳代は命の恩人だからな」
そう言って冗談めかして笑う。
「でも、本当に気を付けてくださいよ。
一人暮らしなんですから、
なんかあったら、すぐに連絡くださいね」
そう私が真面目に言うと、
くつくつと笑って、わかった、わかった、と答えた。
「いざとなったら、お前のところに、
一番に連絡するから、心配するな……」
さっきの続きのようにして言うから、
私は、その言葉が半分冗談だとわかっているのに、
それでも、どこか、その言葉に特別なものを探してしまう。
そのまま二人で、夜の街をゆっくりと一緒に歩く。
色々聞きたいことも、知りたいこともいっぱいあるけれど、
今はこうやって隣で一緒に歩けることが嬉しくて、
ただ、一緒に街を歩けるだけでも
ふわふわと、心が浮き立ってしまうくらい、
嬉しいなんてそんな事、経験したことなかったから。
……なんかよくわからないけど、
恋をするっていうのはこういうことなんだって
くすぐったくて幸せな気持ちになる。
熱気のこもった空気の中、
街灯に深い緑の街路樹が照らされている。
仄かにかいた汗に、海風が少しだけ涼しい。
ふわっと吹いた風が、
私のワンピースの裾を揺らす。
一陣の風に、下ろしたロングヘアが流れる。
それを指先で抑え込むようにすると、
一瞬彼が、立ち止まって、目を細めるように
私に視線を送ったような気がした。
その柔らかくて優しい視線だけで、
胸がきゅんと締め付けられる。
仄かに顔を染めた私を見て、
ふっと彼が笑って、先を歩き始める。
「ご馳走様でした」
そう言って頭を下げると、
「いや、佳代は命の恩人だからな」
そう言って冗談めかして笑う。
「でも、本当に気を付けてくださいよ。
一人暮らしなんですから、
なんかあったら、すぐに連絡くださいね」
そう私が真面目に言うと、
くつくつと笑って、わかった、わかった、と答えた。
「いざとなったら、お前のところに、
一番に連絡するから、心配するな……」
さっきの続きのようにして言うから、
私は、その言葉が半分冗談だとわかっているのに、
それでも、どこか、その言葉に特別なものを探してしまう。
そのまま二人で、夜の街をゆっくりと一緒に歩く。
色々聞きたいことも、知りたいこともいっぱいあるけれど、
今はこうやって隣で一緒に歩けることが嬉しくて、
ただ、一緒に街を歩けるだけでも
ふわふわと、心が浮き立ってしまうくらい、
嬉しいなんてそんな事、経験したことなかったから。
……なんかよくわからないけど、
恋をするっていうのはこういうことなんだって
くすぐったくて幸せな気持ちになる。
熱気のこもった空気の中、
街灯に深い緑の街路樹が照らされている。
仄かにかいた汗に、海風が少しだけ涼しい。
ふわっと吹いた風が、
私のワンピースの裾を揺らす。
一陣の風に、下ろしたロングヘアが流れる。
それを指先で抑え込むようにすると、
一瞬彼が、立ち止まって、目を細めるように
私に視線を送ったような気がした。
その柔らかくて優しい視線だけで、
胸がきゅんと締め付けられる。
仄かに顔を染めた私を見て、
ふっと彼が笑って、先を歩き始める。