【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫

午後からの競技の最初は、ＰＴＡリレーで、
うっかり出場する羽目になっていた私は、
食事後、呼び出されて、校庭に出ていく。
「佳代、しっかり走ってこいよ」
今隼大のいる白組は、
紅組と僅差で負けているから、隼大の声も必死だ。

「佳代も出るのか？」
そう言って、宮坂先生が私を呼び寄せる。
麻生先生も、若いからだろうか、
呼び出されていて、
私は他のお父さんお母さんたちと一緒に列に並んだ。

「佳代ちゃんは若いから、最後の方で走ってよね？」
そう隼大の友達のお母さんに言われて、
私はアンカーの宮坂先生の前に走ることになる。

「同じチームでよかったな……」
そう言って、ニヤリと笑う。
「宮坂先生、足早いんですか？」
思わずそう尋ねてしまうと、
「さあなあ……」
そう言って笑っている。

「それでは、保護者と教職員によるリレーです」
そうアナウンスが流れて、
競技が開始された。

麻生先生はどうやら紅組らしく、
私と同じ列に一緒に並んでいる。
やや、紅組が優勢に走ってきていて、
バトンを前のお父さんから渡された私は、
先にスタートを切った、麻生先生を追う。