【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫
久しぶりに校庭を走る感覚が楽しくて、
気づけば必死に走っていた。
トラックを走るのは何年振りだろうか?
気づけば一気に麻生先生を抜いて、
周りからどよめきが聞こえる。
「白組、早いです。
麻生先生が一気に抜かれました!」
そんな興奮した、放送部の女の子のアナウンスも耳には届かない。
そのまま一気に駆け抜けて、
麻生先生との間にかなりのアドバンテージを取って、
宮坂先生にバトンを渡す。
「……はえぇなあ……」
そう呆れたようにぽつりとつぶやいて、
彼はバトンを受け取り、
一気に駆け出していく。
私ははぁはぁ、と荒い息を整えつつ、
大きく手を振って、白組を応援している。
隼大たちが大騒ぎしている前を、
宮坂先生が駆けていって、
終始私が取ったリードを保ったまま、
そのまま危なげなく、ゴールした。
戻ってきて、手を挙げるから、
それに私も手を合わせる。
パシンといい音が鳴って、思わず二人で笑いあう。
「隼大から聞いていたけど、さすがに早ぇなあ……」
そう言って、彼は膝に手をついた姿勢のまま、ふぅぅっと深い呼吸をした。
「さすが元陸上部だな」
そう言って笑うから、
私の高校時代の所属部まで知っているんだと、
ちょっとびっくりして、
「いや、でも意外と宮坂先生も早かったですよ」
思わずそう言いかえすと、
「俺は頭は悪い分、運動神経はいいんだ」
そう言って、くつくつと笑う。
気づけば必死に走っていた。
トラックを走るのは何年振りだろうか?
気づけば一気に麻生先生を抜いて、
周りからどよめきが聞こえる。
「白組、早いです。
麻生先生が一気に抜かれました!」
そんな興奮した、放送部の女の子のアナウンスも耳には届かない。
そのまま一気に駆け抜けて、
麻生先生との間にかなりのアドバンテージを取って、
宮坂先生にバトンを渡す。
「……はえぇなあ……」
そう呆れたようにぽつりとつぶやいて、
彼はバトンを受け取り、
一気に駆け出していく。
私ははぁはぁ、と荒い息を整えつつ、
大きく手を振って、白組を応援している。
隼大たちが大騒ぎしている前を、
宮坂先生が駆けていって、
終始私が取ったリードを保ったまま、
そのまま危なげなく、ゴールした。
戻ってきて、手を挙げるから、
それに私も手を合わせる。
パシンといい音が鳴って、思わず二人で笑いあう。
「隼大から聞いていたけど、さすがに早ぇなあ……」
そう言って、彼は膝に手をついた姿勢のまま、ふぅぅっと深い呼吸をした。
「さすが元陸上部だな」
そう言って笑うから、
私の高校時代の所属部まで知っているんだと、
ちょっとびっくりして、
「いや、でも意外と宮坂先生も早かったですよ」
思わずそう言いかえすと、
「俺は頭は悪い分、運動神経はいいんだ」
そう言って、くつくつと笑う。