【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫
どうやら小学校の忘年会に出くわしてしまったらしい。
私はカウンターで貴志と飲みながら、
ちらちらと、奥が気になって様子をうかがってしまう。

宮坂先生の横には、
しっかり麻生先生がいたりして、
なんか、こう、本当に近くで、
親しげに話している様子が気になって仕方ない。

なんか、私と違って、
麻生先生って色っぽいから
きっと男の人ってああいう人好きだと思う。
好きじゃなくても、ちょっとぐらいクラっとしてしまいそう。

「もお、やだあ、宮坂先生ってばっ」
そう言って、彼の肩を軽く叩く。
宮坂先生が笑ってそれに受け答えをしている。

「……佳代、何見てんだよ」
貴志の不機嫌そうな声にはっとして、
「いや、にぎやかだなあって……」
慌てて誤魔化すようにカウンターのマスターに
「もう一杯おかわりくれますか?」
そう言って、ビールをもらう。

「で、今日は何なの?」
そう貴志に尋ねると、
「何なのって……用事がないと呼び出したらいけない?」
そう彼が私の顔を見て言う。

「いや、いいけど、急に呼び出すから、
何か用事があるのかなって思ってた……」
そう言うと、彼がこっそりとため息をつく。

呼び出したくせに機嫌悪そうで、変な奴。
そんな風に思いながら、
気づけば、東京に出て行った友達の話をして、
正月に帰ってきたときに、またみんなで逢おうなんて
そんな話をしている。

その間も、私は、
奥の先生たちの忘年会が気になって仕方ない。
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