【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫
「……俺、先生とか言われるのあんまり好きじゃねぇんだよな……」
ぼそり、とそんなことを言うから、
思わず目をぱちくりとしてしまう。

「先生って、呼ばれるのが嫌いなのに、
学校の先生になったんですか?」

そう尋ねると、
一瞬困ったような顔をして、苦笑いをする。

「まあ、そうだな……」
そう言って彼はビールを一気に煽る。
「仕事は嫌いじゃねぇが、
先生扱いされるのは、座りが悪いな……」
そう言って、ぐしゃぐしゃと自らの髪をかきまわす。

「ああ、隼大、おめでとう」
急に話題を変えて、お祝いを言ってくれるから、
「ありがとうございます」
そう頭を下げると、

「ってことで、隼大は中学生になることだしな、
お前も俺を『先生』って呼ぶのはやめろよな」
そう言って、くつくつと笑う。

「え?」
思わず私が言葉に詰まると、
「『先生』って呼ぶなって言ってんだよ」
「そもそも、俺はお前の先生じゃねぇしな」

そう言って、ピシっと軽くおでこを指先で弾かれる。
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