【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫
一緒にお酒を飲んで、
そのあと、酔い覚ましと言って、
ふらりと公園まで歩いていく。
既に日付は変わっていて、
人通りは少なくて、
公園には、誰もいない街灯の上で、
桜が散り際を迎えていた。
「もう、桜も終わりますね……」
そう私が桜の木の下で、
降るように散る桜の花びらに手を差し伸べながら言うと、
ふわり、と風が吹いて、
私のロングフレアのスカートと、
下ろした長い髪と、桜の花びらを舞い上げる。
「……そうだな……」
そう言って、彼は目を細めて私と桜を見つめる。
「卒業式まで桜が残っててよかった……」
そう私が呟くと、
彼が桜の木の下にやってきて、
普段は無骨な癖に、
そんな時だけ妙に繊細な指先で、
そっと、私の髪に手を伸ばす。
ふっと小さく笑って、
私の髪から何かを摘まみあげる。
一瞬近づく距離に、
思わず心臓が、とくん。と音を立てる。
「こんなところまで桜の花びらだ……」
そう低い声で囁くと、その指先に桜の花びらをとらえて、
そのまま、彼の指先から、
桜の花びらが、はらり、はらりと、
弧を描くように緩やかに揺れながら、
落ちていくのを、何も言わずにずっと見つめている。
花びらが花びらのじゅうたんに吸い込まれて、
ふと視線を上げると、
真正面から、先生と視線が合ってしまう。
そのあと、酔い覚ましと言って、
ふらりと公園まで歩いていく。
既に日付は変わっていて、
人通りは少なくて、
公園には、誰もいない街灯の上で、
桜が散り際を迎えていた。
「もう、桜も終わりますね……」
そう私が桜の木の下で、
降るように散る桜の花びらに手を差し伸べながら言うと、
ふわり、と風が吹いて、
私のロングフレアのスカートと、
下ろした長い髪と、桜の花びらを舞い上げる。
「……そうだな……」
そう言って、彼は目を細めて私と桜を見つめる。
「卒業式まで桜が残っててよかった……」
そう私が呟くと、
彼が桜の木の下にやってきて、
普段は無骨な癖に、
そんな時だけ妙に繊細な指先で、
そっと、私の髪に手を伸ばす。
ふっと小さく笑って、
私の髪から何かを摘まみあげる。
一瞬近づく距離に、
思わず心臓が、とくん。と音を立てる。
「こんなところまで桜の花びらだ……」
そう低い声で囁くと、その指先に桜の花びらをとらえて、
そのまま、彼の指先から、
桜の花びらが、はらり、はらりと、
弧を描くように緩やかに揺れながら、
落ちていくのを、何も言わずにずっと見つめている。
花びらが花びらのじゅうたんに吸い込まれて、
ふと視線を上げると、
真正面から、先生と視線が合ってしまう。