予測不能なケミストリー 【完結】
「よっ。友平君も、早帰り?」

「ああ、トランペットのマウスピースが
壊れちゃてさ。頼んでたやつが届いた、って
連絡があったから、これから取りに行くんだ」

「へぇ~。駅前の、あの楽器店?」
「そうそう」


駅までの道のりを、

傘さしてるのに、雨が強すぎて
ずぶ濡れだね。

濡れネズミだね。

雨にうたれた、捨て猫みたいだね.


なんていいながら。
友平君は、持ち前の明るさで、私のなかの
どんよりを、少し蹴散らしてくれた。

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