予測不能なケミストリー 【完結】
でも、今度は
離れた私の背中に手をまわし、
ガバっと私を抱きしめた。

「もう 遅い」

「リョウ君」

「やだ? 離してほしい?」

「・・このままが、いい////」


リョウ君が、ふっと優しく息を吐いた音を
聞いた。

私は、離した手を
もう一度リョウ君に巻き付けて
背中をぎゅっとつかんだ。

「私だって、理恵ちゃんのこと、ヤダ」

消え入りそうな声でつぶやくと
リョウ君は一瞬間をあけて
優しく私の頭をなでた。
顔にかかった髪の毛を、耳にかけて
そのリョウ君の手が耳に触れたとき
ゾクっと体が震えた。
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