予測不能なケミストリー 【完結】
右手でサラリと前髪をかき上げたあと、
左手を口元にあて、
「セイラ、ごめん、俺・・」

と、視線を外したまま。

「ごめん、って・・?」

「今までずっと。
ずっと、ずっと気づかなかった。
セイラが好きだ、って言ってくれた
あのときから。
いや、もっと、もっともっと前から
俺、お前に恋してたんだ。」

「リョウ・・く・・」

「最後まで言わせて。」

私はあわてて言葉を飲み込む。

「もういっかい、やり直させて」

リョウ君は、今度は真っ直ぐに私を見つめる。
息が、止まる・・
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