マイノリティーな彼との恋愛法
仕事を終えたのは、結局19時半。
今から向かうと20時くらいにはお店に着けるはず。
ポツポツと他の部署の社員も残ってる人はいたけれど、邪魔にならないように声はかけず、そっとあとにした。
エレベーターに乗り込み、一階のパネルを押して壁によりかかる。
扉の向かい側が大きな鏡になっており、疲れた顔の私が全身映っていた。
風花ちゃんをはじめ、合コンに行く若手4人の今日の服装と言ったら凄まじかった。
みんな見事にパステルカラー。そして花柄。
よくもまぁ、秋にそんな色の服を着てきたなぁと感心した。
男ってそんなにパステルカラーと花柄が好きなのか?
聞いたことないんだけど。
鏡に映る自分の服を見て、やっぱり若い子には敵わないなと笑ってしまった。
ネイビーのブラウスに、カーキのペンシルスカート。
完全にダークカラー。
合コンに期待も何もしていないので、いつも通りの服で出勤したのだ。
どうせ合コンではディスられて終わるんだろうな。
分かってる分かってる。
一時間ちょっと笑顔を顔にくっつけておけばいいんだから。
鏡を見ているうちに、目の下のクマが気になってきた。
おもむろに近づいて確認しながらクマの辺りをゴシゴシ指でこする。
最近そういえば夜更かししてレンタルした海外ドラマとか見てたからなぁ。
土日はたっぷり寝て過ごそうっと。