マイノリティーな彼との恋愛法
すっかり渚の頭では、神宮寺くんが私の中でギリギリストライクに入っているものだと思っているらしい。
そんなことは一言も言った覚えはないのだが。
だけど否定してもどうにかこうにかねじ曲げて元の位置に戻そうとする彼女を止める気力は、もう私には残っておらず。
うんうん、そうね、を繰り返した。
「いい、ひばり!次のデートで彼の素敵なところを3つ見つけなさい!」
「す、素敵なところ?」
「その3つを、デート後に私にラインして報告しなさい!」
「………………うわ、めんどくさ〜」
「あわよくば誘惑しなさい!年上の魅力ってやつで腰砕けにしちゃいなさい!」
「………………とんとご無沙汰だからそんなテクニックは持ち合わせておりません」
「大丈夫!捨てる神あれば拾う神ありよ!」
「………………えーっと、別に誰にも捨てられてませんけど……」
私の訴えも虚しく、渚はファイト!とウィンクつきで私の肩をバンバン叩いてきた。
なかなかの強さに顔を歪めながらも、強制的にうなずかされた。
あれ?どうしてこんな流れになってるんだ?
ただのメガネの弁償で食事してるだけなのに。
ヤツの素敵なところを見つけろ?
そんなの無理に決まってるじゃない!!