【完】悪名高い高嶺の花の素顔は、一途で、恋愛初心者で。
「……羨ましい……」
え?今、何か言った?
珍しく眉を顰める後藤くんの姿が不思議で、じっと見つめ返す。
「後藤くん?」
「コホンッ……いえ、早くお昼ご飯食べましょっか?」
どうしたんだろう?と思ったけど、笑顔でそう言われ、私は「はい」と頷いた。
「後藤君は、魔法使いみたいですね」
「っえ?お、俺がですか?」
「はい。元気をくれる魔法使い。後藤君に想われる人は、きっと凄く幸せになると思います」
「……それは、反則ですよ……」
「え?」
「お、お昼ご飯食べましょう……!!」
「……?はい」