【完】悪名高い高嶺の花の素顔は、一途で、恋愛初心者で。
「そうなんです。最初はコラボの形で決定して……うちのメニューが好評だったので、継続していただけたみたいです」

「へー!知らなかったです」


基本的に、大きなテーマパークだと内部で開発をしてというのが主流だけれど、マーケティングパートナーでもあったうちの会社に依頼をかけてくれた。

私も今まで担当したことのない大口の企画だったから、寝る間も惜しんで担当したのが懐かしい。


「今回は、季節限定メニューと、テーマパークの常時メニューそれぞれの開発なんです」

「キャラクターも名所もたくさんあるので、悩みますね」

「先方に案をもらってからデザインは投げるにしても、こっちもある程度の提案は出せるようにしておかないとですよね」


桐生さんは笑顔でそう言って、また写真に納めていた。




一通りは見れたんじゃないかな……。

ほとんどパーク内を一周して、ふぅ……と息を吐く。
訪問するのは来週って言っていたし、資料をまとめる余裕もありそう。

今日は天気も良く、平日だからそこまで混んでいなかったから桐生さんもゆっくり見ることができたと思う。


「あ、おばけ屋敷ありますよ」


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