【完】悪名高い高嶺の花の素顔は、一途で、恋愛初心者で。
【那月さんと上手くいってない時は、いつでも俺に相談してくださいね】


結局、昨日は何があったんだろう……。

那月くんは教えてくれなさそうだから、桐生さんに聞いてみようかな……。




「誰ですか……?」


いつの間にか起きていたのか、じっと視線を送られていることに気づいた。


「あっ、那月くん……おはよう。桐生さんからメッセージが入ってて」

「あいつと連絡先交換したんですか?」

「う、うん。仕事のことで、相談したいことできるかもしれないからって……」

「百合花さん、あいつには本当に気をつけてくださいね」


ますます目を細めている那月くんに、苦笑いを返す。


「う、うん」

「できるなら関わらないでください」


な、那月くんがここまでいうなんて……昨日は相当修羅場を起こしてしまったのかもしれない。


「も、もう食事は控えるね」

「束縛してすみません」


申し訳なさそうな表情を浮かべている那月くんに、首を横に振った。


「……嫌じゃないです、不思議と」


那月くんがそこまで桐生さんのことを警戒するってことは、何か理由があるんだろうし、那月くんいう束縛は、窮屈には感じない。

嫉妬されて愛を感じるなんて、私も変なのかもしれない。


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