イジワル副社長と秘密のロマンス

「なんなの、その可愛らしい抵抗は。完全に逆効果」


「だって」と言い返そうとした時、甘い掠れ声で囁きかけてきた唇が、私の口を塞いだ。深く深く、口づけてくる。

受け止めるので精いっぱいになっていると、力の抜けてしまった私の手の中から逃げだした彼の手が、誰にも触れさせたことのないふくらみを捕らえた。

彼の手にふくらみの形が変えられていく。ぞわぞわとくすぐったいような、何とも言えない感覚に、身体が震えた。

樹君の唇が首筋をなぞる。たまらず声を発し身を捩れば、尖りかけた胸の先端が温かく湿った感触に舐め上げられた。


「……やっ、あん」


彼の熱と自分の熱が混ざり合い、増幅していく。

与えられる刺激の気持ちよさを知ってしまえば、もう何も考えられなくなっていく。

彼の手がすっと、下へ降りていく。内腿を焦らすように撫であげられ、私はまた震えてしまう。

そっと樹君が身体を起こし、私の片膝を持ち上げた。先ほど孤を描くように触れていたそこへ、食むようなキスをした。

ぴくりと体を揺らした私を見て、彼が魅惑的に笑う。


「たっぷり、愛してあげる」


色香を纏った笑みを浮かべたまま、彼は顔を下げていった。