イジワル副社長と秘密のロマンス


「俺に抱かれた感想」


予感的中。

そんな恥ずかしいこと言えるわけがない。言えないに決まってる。むしろ私が言えないの分かってて、言ってる。絶対にからかってる。

白濱副社長も、社長も、唖然とした顔で私を見ている。それが段々と次の言葉を待っているようにも見えてきてしまい、私はたまらず首を横に振る。


「俺が抱いたことあるの千花だけなんだから、ここにいる人間で答えられるのは千花しかいないでしょ?」


私だけ?

思わず津口さんを見ると、すぐに目を逸らされてしまった。

樹君と津口さんは関係を持ったことがない。彼の言葉を信じれば、そういうことになる。

ありもしない事実に振り回され、不安になってしまっていた自分が情けない。

反省モードに入った私に、樹君がこっそりと囁きかけてきた。


「今後の参考にするから、俺も聞きたい」

「さっ、参考ってなに!?」

「できるだけ詳しく、よろしく」

「無理だから!」


声のトーンを落としつつも、すかさず突っ込みを入れると、樹君が眉を潜めた。


「男としては、良くないと思われてたら嫌だし、正直に言って欲しいんだけど」

「そんなことない。良くないなんて思ったことなんて一度も……だって、逆に、私……」



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