イジワル副社長と秘密のロマンス
「千花。俺と結婚してください」
気持ちのこもった声と言葉に、心を掴まれる。繋がっている手が熱い。
「一生かけて千花を大事にする」
胸が高鳴っていく。思いは溢れ出そうになるのに、言葉が上手く出てこない。
「だからずっと、俺のそばにいて」
そう言って、樹君が笑う。幼いころの面影を感じさせる笑みに、また愛しさが募っていく。止まらない。
私は樹君へと大きく腕を伸ばした。
「私も好き! 樹君が大好き!」
その広い胸元へと身を寄せれば、優しい声で名前を呼ばれた。笑みを浮かべた口元へと、樹君が顔を寄せてくる。
瞳を閉じれば、そっと唇が重なり合った。
遠い昔に抱いた思いは、今この瞬間へと繋がり、そしてまた新しい未来へと続いていく。
いつか思い描いた幸せな未来へと……。
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