Forecast -Mystic Cafeへようこそ-
誰にでも、秘密の一つや二つはあるだろう。


言えないことや、話せないこと。


これを話したら
馬鹿にされるかな?とか

こんな話、
信じてもらえないだろうな...とか
そういった人の心の闇。




私の家には古くから伝わるタロットカードがあって
そのカードは触れてはいけないと言われていた。


そのカードは人の「気」を使い、願いを叶える。
代価は依頼者の悪夢。


私はある日、押し入れの中からカードを見つけ
カードの精霊アルズと出会った。
緑の帽子、小人のような服装をしている
見た目は可愛い感じの奴だ。

あ、「気」というのは気学とかによく使われる
陰陽を含めたエネルギーの事。

気を使うフォートと呼ばれる
カードの中の精霊と仲良くしなければ
使えないし、フォートの内、一人でも
仲良く出来なければ扱う事は
難しいとされている。

詳しい話をすると長くなってしまうから
ここではご愛敬ということで。


私の持つカードは全部で22枚。
カードを慣らすまで、かなり時間を費やした。

普段はカードを持ち歩かない限り
見ることも話すことも出来ないけど、
多分今も私の肩で
愚痴愚痴小言を言っているに違いない。

今は下校時刻。制服を来た同級生達が肩を並べて
通りすぎていく。

一方、私の家は友人の家と正反対の道にあり
今は一人で朝方通った見慣れた道を歩いている。


そういえば自己紹介がまだだったわね。


私の名前は三原 菜乃(みはら なの)

ごくごく普通の女子高生。

成績も、友人関係も何一つ優れたものはない
ありふれた人間だと思ってる。

またの名を、ミスティ。


私は私の家である 、ここ「 Miystic cafe 」の
専属呪術師として活動しつつ、
普段は華の女子高生をしている一般人。

家に着くと早速、カフェのメニュー看板が
目にとまる。

それを無視して玄関に入り
自分の部屋に入るや否や、いつもの正装に着替える。

さて。もうすぐ来る頃でしょう。

ようこそ、Mystic Cafeへ。

(かったるーい!)

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