拾われた猫。
序章
私の中には何も無い。
心臓が血液を全身に送って、脳が信号を発信してるだけ。
私は刀を振るう。
理由なんかない。
強いていうなら、仕事を頼まれたから。
殺し屋〝Noah〟。
それが私の仕事。
本名は香月雨<カヅキアメ>。
名前を呼ばれるのは学校にいる時だけ。
かろうじて自分の名前を忘れてない。
月が私を照らす。
真っ赤な血に塗れた私はどれだけ醜いだろうか。
普通の人なら気になるであろう事だが、私にはどうでもいいことだった。
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