拾われた猫。
着替えてから3人の溜まり場に戻ろうとした時だった。
「こんにちは」
綺麗な声が聞こえて振り返ると、芹沢鴨と彼女が立っていた。
芹沢鴨はいつものように仏頂面だったけど、彼女は目を輝やかせた。
「よう似合うとる。
やっぱり美形は何着ても様になるんやね」
嬉しそうに私に駆け寄った。
芹沢鴨はフンッと鼻で笑うと、背を向けて歩いていく。
彼女はそれに気づいて急いで後を追う。
私も後を追って、芹沢鴨の袖を掴んだ。
驚いた顔で振り向いた彼のその表情はとても新鮮だ。