拾われた猫。



私の額に手を置いて、自分の額の熱と比べる。



「うむ、熱は下がったようで何より」



ニッコリと笑った表情を見て、こちらも気が抜けそうになる。


とりあえず謎を解いていかなければならない。




「……これは?」


ブカブカの浴衣の袖を片手ずつ掴んで、彼に見せる。



「あ、やっ!

あの服では苦しいと思って着替えさせたんだが!

その……」



大きな声で教えてくれたかと思うと、ごもごもと口篭る。


首を傾げると、咳払いをして真剣な表情でこちらを見る。



「いや…その、女子だと思わなかったんだ。

着物も妙でどうすれば脱がせられるか分からずに破いてしまったんだ…。

サラシはつけたままにしている!

肌は見ていないぞ!」



必死で否定するこの人はとても誠実な人なんだろう。


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