拾われた猫。



不思議だ。


この人たちが来るだけで、心が温かくなる。



「お父さん…みたい……」


無意識にそう言った私を2人は驚いていた。



「ほいならうちは?!」


目を見開いてそう言った彼女に肩を掴まれた。



「……お姉さん?」


何故か疑問形で言った言葉に、彼女は嬉しそうに笑った。


「うちもあんたの事妹のみたいに思うとったんよ!

もう、この子ほんまに可愛ええわ」



ギュッと抱きつかれた私はどうしていいのか分からないまま、棒立ちになっていた。


その様子に気づいて、彼女は私から離れた。



「梅姉さん呼んでな。

芹沢さんの事はお父さん言うていいんよ」


チラリと芹澤鴨を見ると、さして嫌そうにはしてなかった。



コクン頷くと、また抱きつかれた。


親子とか姉妹とか分からないけど、凄く嬉しかったんだ。



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