拾われた猫。
お父さん
「副長!
芹沢局長が──」
「土方副長!
芹沢局長のことで───」
最近はよくトシの部屋で芹沢鴨、お父さんのことをよく耳にする。
その割にはお父さんは梅姉さんを連れてよく会いに来てくれる。
洗濯物をしている時も屯所内が常にバタバタしている。
話の内容はお父さん。
隊士たちがトシの所に報告を持っていく。
「……本当に迷惑な人だね」
ふと話が聞こえて、私は洗濯の手を止めた。
総司は珍しく笑っていなくて、苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
縁側に座る彼の隣に座った。
「あの人は新選組のことを考えない迷惑な人だよ」
私を横目に見て、遠慮なく発した。